おはCOT❣️ 柚の子です。

マンガアプリで読んでいるそのサイト、正規版かどうか確かめたことはありますか?

出版社などでつくる一般社団法人ABJによると、日本向けの海賊版サイトの上位10サイトで2025年の1年間にタダ読みされた金額は、約6888億円と推計されています。

大きな数字が並ぶテーマなので、それぞれがどの団体の、どういう数字なのかを分けて見ていきます。後半では、正規の電子書店につく「ABJマーク」の見方もまとめました。

日本向けの上位10サイトで約6888億円

ABJが2026年2月に公表した資料では、日本向けの出版物海賊版サイトの上位10サイトでタダ読みされた金額を、年ごとに試算しています。

2020年は約2100億円で、その後は次のように推移しました。

  • 2021年:約1兆19億円
  • 2022年:約5069億円
  • 2023年:約3818億円
  • 2024年:約8069億円
  • 2025年:約6888億円(前年から約15%減)

資料によると、2025年の前半には複数の巨大サイトが出ていたものの、対策で閉鎖に追い込み、2025年12月には上位10サイトの月間アクセス数の合計が1億を切ったそうです。

気をつけたいのは、この金額が「海賊版サイトでタダ読みされた金額」だという点です。ABJ自身が、正規の売上げの減少額ではないと注記しています。

そのうえで、経済産業省などの調査の考え方(海賊版が無ければ正規版を買う人を約3割とするもの)を当てはめると、売上げの減少は約2300億円と推定できる、とも書いています。

試算に入っているのは、上位10サイトのうち計算できるオンライン型のサイトだけです。

世界では「8.5兆円」、経産省は「出版2.6兆円」

海外向けの翻訳海賊版サイトは、上の数字に入っていません。そこでABJは、日本の出版物を扱う海賊版サイトを世界規模で調べた報告書を、2025年11月に公開しています。

報告書によると、2025年6月の時点で日本の作品が載った海賊版サイトは914あって、123か国・地域から訪問がありました。使われている言語は英語がいちばん多く、約半数です。

1冊を30分・500円と仮定すると、2025年6月の1か月だけでタダ読みされた金額は7048億円。国別ではインドネシア、日本、アメリカの順でした。

ABJはこれを「全世界でタダ読みされた金額は8・5兆円」と発表しています。

経済産業省も2026年1月に、日本発コンテンツの海賊版被害額の調査結果を出しています。6か国の消費者へのアンケートをもとにした推計で、2025年のオンライン上の被害額は出版で2.6兆円、映像やゲームなども合わせたデジタルコンテンツ全体で5.7兆円でした。

ABJの数字はサイトのアクセスから、経産省の数字はアンケートから出したもので、計算のしかたがまったく違います。

足したり、どちらが正しいと比べたりする数字ではないんですね(桁が大きすぎて、正直ぴんと来ないのが本音です)。

3つの数字を並べると、こうなります。

海賊版の数字3種類を並べた図。ABJ(国内)は約6888億円で、2025年の1年間、日本向けの上位10サイト、サイトのアクセスから試算。ABJ(世界)は8.5兆円で、2025年6月の1か月7048億円、日本の作品が載った914サイト、サイトのアクセスから試算。経済産業省は出版2.6兆円で、2025年のオンライン被害額、デジタルコンテンツ全体は5.7兆円、6か国の消費者アンケートから推計。ABJの金額は「タダ読みされた金額」で売上げの減少額ではなく、3つは足したり比べたりしない数字。

正規版の目印「ABJマーク」

ABJマークは、それを掲げた電子書店や電子書籍配信サービスが、著作権者から使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標です。

商標の登録番号は第6091713号。ABJは「Authorized Books of Japan(公認された日本の本)」の略だと、ABJの公式サイトで説明されています。

出版広報センターの告知によると、運用が始まったのは2018年11月30日です。

今はABJが交付し、事務は一般社団法人電子出版制作・流通協議会が受け持っています。交付するかどうかは、認定委員会が決める仕組みとのこと。

ABJの事業概要では、2026年8月31日の時点で、マークの使用を許諾された事業者が269、サービスが1032あるとされています。

マークは、電子書店や電子書籍配信サービスが掲げるものです。

小さなマークですが、ちゃんと公認の印を背負っていると思うと、ちょっとカッコよく見えてきます(目立たないところで地味にがんばっている感じも好きです❣️)

マークが見つからないときは一覧で確認

マークがどこにあるか分からないときは、電子出版制作・流通協議会のサイトにある「ホワイトリスト」で調べられます。ABJマークを掲げているサービスの一覧で、2026年9月24日に更新されていました。使っているアプリやサイトの名前がそこにあるかを見れば確かめられます。

法律の面では、2021年1月1日から、違法にアップロードされたものだと知りながら行うダウンロードの対象が、音楽や映像から全ての著作物に広がりました。文化庁のQ&Aは、マンガもこの対象に入ると説明しています。

同じQ&Aの中で、正規のサイトを見分けやすくする取り組みとしてABJマークが挙げられていて、音楽や映像には以前から「エルマーク」があることにも触れています。

文化庁のQ&Aによると、海賊版を単に見るだけなら違法にはなりませんが、政府として推奨するものではない、とも書かれています。

好きな作家さんに続きを描いてもらうためにも、正規版で読むのがいちばんですね。

この記事について

この記事は、一般社団法人ABJが公表した年間データと調査報告書、ABJの事業概要、電子出版制作・流通協議会のABJマークのページ、出版広報センターの告知、経済産業省のニュースリリース、文化庁のダウンロード違法化の資料をもとにまとめました。

ABJマークを掲げているサービスの一覧は随時更新されます。使っているサービスについては、最新のホワイトリストで確認してください。

法律の個別の判断は、専門家に相談しましょう。

それでは、また次のCOTで❣️