おはCOT❣️ 柚の子です。

コスプレの写真をSNSに載せるとき、皆さんは著作権のことを気にしたことはありますか?

実はこの話、2020年から2021年にかけて、内閣府のクールジャパン戦略担当大臣が記者会見で取り上げています。

いまは文化庁も、コスプレを例にした著作権の解説を公開しています。

この記事では、政府の公表資料に書かれていることと、コスプレについて書いている権利者のガイドラインの例を整理します。

法律の結論を出すものではないので、その点は最後にもう一度書きます。

内閣府の大臣会見で出てきたこと

きっかけは、2020年11月27日の井上内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略担当)の記者会見です。

コスプレイヤーのえなこさんのクールジャパン・アンバサダー任命式を12月9日に開くと報告する中で、大臣は「コスプレと著作権に関しては法的な課題が生じることも認識しており」と述べ、コスプレイヤーが安心して楽しめる環境の整備に努める考えを示しました。

具体的にどんな環境整備が必要か、という質問に対する答えは次のとおりです。

私的使用などの例外を除けば、複製などには原則として著作権者の許諾が要る。そのうえで「キャラクターになり切って写真を撮る場合、あるいはその写真をSNSに載せる場合、またイベント等に参加して報酬をもらう場合」について、法的な整理が必要だという指摘があると説明しています。

撮る、載せる、お金をもらう。コスプレ活動の中で、確認したほうがいい場面がこの3つに分けて挙がったわけですね。

「ルール化」報道への大臣の説明

2021年1月29日の会見で、大臣は「先日」出た報道に触れています。政府としてコスプレと著作権のルール化を進める方針だという内容で、政府の規制でこれまでどおりの活動ができなくなるという懸念が述べられていたそうです。

大臣はこれについて「私の本意とは異なります」と説明しました。

同じ会見では、コスプレは「現時点では大きな問題とはなっていない」としたうえで、コスプレ人口が増えるにつれて法的な問題が起きる可能性を心配する声がある、と述べました。

方策を考えるにあたっては、コスプレを含む二次利用のガイドラインを出している企業の動きも参考になるとし、関係者へのヒアリングを進めて、年度内を目途に方策を整理したいとしています。

その後に政府がまとめた方策の中身は、この記事で確認した政府の公表資料の中には見つけられませんでした。

規制を作るという話ではなく、安心して楽しめる環境のためという説明だったので、ひとまずほっとする内容です(あのときの騒ぎを思うと、会見の全文はもっと読まれてほしいですね)。

文化庁の解説に書いてあること

著作権を担当する文化庁は、「著作権、これってOK?NG?」という解説シリーズの第3問で、コスプレ衣装を着た個人的な撮影会を取り上げています。

書かれている要点は次のとおりです。

  • まず、作品や権利元の企業が公式ガイドラインを出していないかを確認する
  • キャラクターの衣装やデザインは、著作権法などの保護対象になる場合がある
  • 保護対象となるコスプレの写真や動画を無断で販売することは「認められないことが多いです」
  • 他のコスプレイヤーを同意なく撮ったり載せたりすると、肖像権やパブリシティ権のトラブルになるおそれがある
  • 個人的に楽しむこと自体は「直ちに著作権侵害となるわけではありません」。ネットに公開するときはルールを確認する

別のページでは、SNSへの投稿は「一般への公開」で、家の中で楽しむ私的使用の例外は通用しないとも説明しています。

黙って見守っているクリエイターもいるけれど「沈黙は「公認」ではありません」とのこと。

だからこそ、まずガイドラインを探しましょう、という流れです。

権利者のガイドラインの例

政府の会見でも文化庁の解説でも、行き着く先は権利者のガイドラインでした。コスプレにふれているものを3つ紹介します。

カプコンの二次創作ガイドラインは、対象となる作品に「コスプレ衣装や写真」を挙げています。守っていれば連絡は不要です。

営利目的は認めていませんが、同人誌即売会のような趣味の範囲で少量・少額なら例外的に許容するとし、その判断はカプコンが行うと書いています。

対象は個人か法人格を持たない団体で、公式と間違われないよう、カプコンのコピーライト表記は使わないこと、とされています。

フリューのゲーム「アノマリス」のガイドラインは、できることとして「キャラクターのコスプレ、コスプレ写真・動画の撮影、公開、頒布」をはっきり書いています。

個人の非営利に限り、材料費などの諸経費くらいの対価なら非営利の範囲内という基準です。

東方Projectのガイドラインは、個人のファン活動としての二次創作を「常識の範囲内で基本的に自由」としています。コスプレという言葉は今のページには出てきませんが、東方の二次創作である事の明記と、公式と誤解させる内容の禁止などが条件です。

東方が好きなわたしとしては、この一文の懐の深さがありがたいです(そのぶん、書いてある禁止事項はきちんと守りたいところです)

同じようにコスプレを認めていても、どこまで書いているか、お金の扱い、名前の書き方は作品ごとに違います。

確認するときの順番

資料に書かれていることをもとにすると、確認する順番はこう整理できます。

  1. その作品や権利元の公式サイトに、二次創作やコスプレのガイドラインがあるか
  2. 自分の使い方(撮る、SNSに載せる、売る、イベントで報酬をもらう)がその範囲に入るか
  3. 写っている人の許可があるか(肖像権やパブリシティ権は著作権とは別の話)
  4. ガイドラインが見つからない、または範囲を超えそうなときは、権利者に問い合わせる

流れを図にするとこうなります。

コスプレ写真などを使う前に確認する順番の図。1 作品や権利元の公式サイトに、二次創作やコスプレのガイドラインがあるか。2 自分の使い方(撮る、SNSに載せる、売る、イベントで報酬をもらう)がその範囲に入るか。3 写っている人の許可があるか(肖像権やパブリシティ権は著作権とは別の話)。1でガイドラインが見つからないとき、または2で範囲を超えそうなときは、4 権利者に問い合わせる。

ガイドラインは変わることがあり、カプコンのガイドラインには内容をいつでも変更する権利を留保すると、東方Projectのガイドラインには予告なく変更されることがあると書かれています。

前に読んだ内容で止めず、ときどき開き直すのが安全です。

この記事について

この記事は、内閣府の大臣記者会見要旨(2020年11月27日、2021年1月29日)、文化庁の著作権の解説ページ、カプコン、フリュー、東方Projectの二次創作ガイドラインをもとにまとめました。

ここに書いたのは資料の要点で、あなたの活動が法律上問題ないかを判断するものではありません。個別の判断は、弁護士などの専門家や作品の権利者に確認してください。

それでは、また次のCOTで❣️