おはCOT❣️ 柚の子です。
鎧や盾を作ろうとしてEVAフォームを買ったものの、曲げ方や塗り方で手が止まっていませんか?
EVAフォームは、エチレン酢酸ビニル(EVA)の樹脂を発泡させた、軽くてやわらかい板です。コスプレの造形でよく使われていて、カッターで切り、熱で曲げ、接着剤で組み立て、塗装して仕上げます。
この記事では、フォームのメーカー、造形用品の販売元、接着剤と工具のメーカーが公式に出している資料から、作り方の基本と安全の注意をまとめます。
作業の流れを図にすると、こうなります。

EVAフォームはどんな素材?
フォームメーカーの三和化工は、よくある質問のページでポリエチレンフォームとEVAフォームの違いを説明しています。EVAは結晶性が低く、フォームにすると軟らかくて伸びやすいそうで、摩擦係数が高くグリップ力があるのも特長とのこと。一方で、融点が低いので、EVAフォームはポリエチレンフォームよりも耐熱性は劣ると書かれています。
熱に弱いというのは、造形では曲げやすいということでもあります。ただ、同じページでは、フォームは発泡していない樹脂よりも低い温度で熱収縮や成形が起きるので注意が必要、とも説明しています。
一般グレードのポリエチレンフォームで比較的安全に使える温度は60℃以下とされていて、それより耐熱性が劣るEVAは、もっと気をつけたいところです(真夏の車内に置いておくのは、ちょっと怖くなりますね)。
切り方については、発泡スチロールのように熱線でカットすることは物理的には可能でも、端が溶けて固まるときにゆがむので、三和化工としては勧めないそうです。
熱で曲げて、冷まして形を固める
コスプレ用品店のクラッセは、公式ブログの「コスプレ造形の基本」で、自社の造形用ボードについて「熱を加えて曲げ、そのまま冷ますと曲げた形で固まる」と説明しています。身体に沿わせたい部分や関節には薄めのボード、板のまま使いたい部分には厚めのボードがおすすめ、とのこと。
接着剤メーカーのコニシも、コスプレの特設ページで、布を貼ったバングルの作り方を載せています。造形用ボードを切り出し、ドライヤー等で熱を加えて内側に丸めるようにくせをつける、という手順です。
温めて、曲げたまま冷ます。この順番を覚えておくと迷いません。
熱を当てる道具には、ドライヤーのほかにヒートガンもあります。ヒートガンは温度がかなり高い工具で、マキタのヒートガンHG6031Vの取扱説明書では、温度の範囲がスイッチ1で50〜350℃、スイッチ2で80〜550℃と書かれています。
EVAフォームを何℃で何秒温めればよいか、という数字はメーカーの公式資料で見つけられませんでした。端材で試してから本番のパーツに当てましょう。
下地と塗装は「無くてもいい、でもあると違う」
クラッセのブログでは、下地塗料(ベースコート)とクリア塗料(トップコート)は絶対に必要かという質問に、「無くてもOK!」と答えています。そのうえで、下地は発色と塗料割れの軽減(壊れにくさ)につながり、クリア塗装も塗料割れの軽減や光沢感に違いが出る、と説明しています。
同じページには、ボードの色の選び方も載っています。仕上げたい色に近いほうに合わせるのが基本で、鎧のように裏側が見える造形物は黒で作っておくと、裏側が見えたときも気になりにくいそうです。
下地には、Plasti Dipというコーティング剤を使う方法もあります。イギリスの販売元Plasti Dip UKは、EVAフォームの衣装は塗装の前にPlasti Dipで封止する必要がある、と説明しています。
どの下地を選ぶかは、上に塗る塗料との相性も含めて、各製品の説明書で確認してください。
曲げても割れにくい塗膜になると、シルバーの鎧がぐっとカッコよく見えます(塗装の工程はいちばんワクワクするところ❣️)
ゴム系接着剤は「両面に塗って、乾かして、貼る」
コニシの特設ページでは、ゴム系接着剤のG10、G17、Gクリヤーが造形用として紹介されています。乾かす時間の目安(20℃)は、G10が10〜30分、G17が5〜15分、Gクリヤーが5〜20分。G10は広い面積、G17は小さめのパーツ、Gクリヤーはクリアパーツや目立つ部分の接着がおすすめの用途とされています。
使い方は「コンタクト型接着」です。貼り合わせる両方の面に接着剤を塗り、溶剤を蒸発させてから貼り合わせる方法で、表面を触っても糸を引かず、指紋がつく程度が目安だそうです。
同じページには、ゴム系溶剤形接着剤は発泡スチロールを溶かすので使わないこと、使うときは臭気と火気に注意すること、も書かれています。
換気、やけど、火の気の注意
ボンドG17(家庭用)の安全データシートでは、G17は「引火性の高い液体及び蒸気」に分類されていて、シクロヘキサン、アセトン、n-ヘキサンなどの有機溶剤を含んでいます。「有機溶剤中毒を起こすおそれがある」とも書かれていて、注意書きには次のような項目が並んでいます。
- 熱、高温のもの、火花、裸火及び他の着火源から遠ざけること
- 屋外又は換気の良い場所でだけ使用すること
- 保護手袋を着用すること
- ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと
ヒートガンの取扱説明書にも、プラスチックなどへの作業で刺激の強い有毒ガスが発生することがあるので、作業場所は常に換気し、防じんマスクを使うように、と書かれています。1か所を連続して加熱すると発煙や発火の原因になること、使用直後のノズルは大変熱くやけどの原因になることも警告されています。
2つの資料を並べると、シンナーなどの揮発性引火物の近くでヒートガンを使わないこと、接着剤は熱や火花から遠ざけることが、それぞれに書かれています。接着剤の溶剤が残っているパーツにすぐ熱風を当てるのは、避けておくのが安心です。
この記事について
この記事は、三和化工のよくある質問、クラッセの公式ブログ、コニシのコスプレ特設ページ、ボンドG17の安全データシート、マキタのヒートガン取扱説明書、Plasti Dip UKの記事をもとにまとめました。フォーム、接着剤、塗料は製品ごとに使える温度や相性が違うので、作業の前に手元の製品の説明書と安全データシートを確認してください。
それでは、また次のCOTで❣️

