おはCOT❣️ 柚の子です。

NFTが出てくるゲームのガチャって、法律的に大丈夫なのかな、と思ったことはありませんか?

デジタル庁のWeb3.0研究会が2022年12月にまとめた報告書には、NFTを中身の分からない形で売ることについて、賭博罪が成立するのではないかという懸念があったと書かれています。

そのうえで報告書は、業界団体が賭博に当たるかどうかの考え方を、出現率の情報提供や未成年の高額課金の防止といった消費者保護の措置と合わせて示している、と紹介しています。

政府の資料が「これは適法」と決めたわけではなく、業界団体の整理がある、という書き方です。この記事では、その業界団体のガイドラインと消費者庁の資料が何を書いているかを並べます。

ブロックチェーンゲームとは

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)、日本オンラインゲーム協会(JOGA)、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)の3団体が出している「ブロックチェーンゲームに関するガイドライン」は、ゲームのアイテムなどをブロックチェーン上のトークンにして、そのトークンを移すことで取引や交換ができる仕組みを含むゲーム、と定義しています。

2021年5月に制定され、2024年7月に改訂されました。

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)の「NFTビジネスに関するガイドライン」第3版は、従来のゲームとの違いを表にしています。

従来のオンラインゲームのアイテムはゲームの外で売ったり貸したりできないのに対し、ブロックチェーンゲームではNFTの持ち主としてゲームの外へ移したり売ったりできる、という整理です。

ゲームの外で値段がつくかもしれない、という点が、賭博や景品の話につながってきます。

賭博罪はどう整理されているか

JCBAのガイドラインは、賭博罪に当たる要件を4つに分けています。偶然の勝敗によること、財産上の利益がかかっていること、その得喪を争うこと、失うかもしれない利益が一時の娯楽に供する物ではないこと、の4つです。

そのうえで、権利や価値をNFTとして提供すること自体は賭博に当たらないとしつつ、NFTを使ったゲームではサービスの設計しだいで注意が必要だと書いています。

JCBAを含む5団体が2022年10月12日に共同で公表した「NFTのランダム型販売に関するガイドライン」は、ガチャ、パッケージ販売、リビール販売などをまとめて「ランダム型販売」と呼んでいます。

考え方の中心は「得喪を争う」という要件で、勝った側が得て負けた側が失う関係があるかどうかです。

パッケージ販売を除くランダム型販売について、NFTが出てこない「ハズレ」をはっきり設定しない限り、売る側は販売価格の代金を得て、買う側はその価格に見合うNFTを得るので、原則として得喪を争う関係は生じない、と整理しています。4つの要件と合わせて図にするとこうなります。

賭博罪の4つの要件(JCBAのガイドラインの整理)の図。1 偶然の勝敗によること、2 財産上の利益がかかっていること、3 その得喪を争うこと、4 失うかもしれない利益が一時の娯楽に供する物ではないこと。3から矢印が下に伸び、5団体の「NFTのランダム型販売に関するガイドライン」の考え方の中心として、勝った側が得て、負けた側が失う関係があるかどうか、パッケージ販売を除くランダム型販売は「ハズレ」をはっきり設定しない限り、原則として得喪を争う関係は生じない、と整理している。規制当局が同じ解釈を採ることを保証するものではない、とガイドライン自身が書いている。

ただし同じガイドラインは、売る側が二次流通の市場で自分で買い取り価格や転売価格を決めて売買することは避ける必要がある、としています。

CESAなど3団体のガイドラインも、ゲーム内のNFTアイテムは通常「財産上の利益」に当たると考えられるとしたうえで、事業者が自ら買い取りに応じるなど、一次販売と二次流通を一体と見られる行為をしないよう求めています。

5団体のガイドライン自身が、規制当局が同じ解釈を採ることを保証するものではない、と書いている点も見落とせません(ここは資料のほうがいちばん慎重なんですね)。

景品表示法はどう関わるか

消費者庁は、景品表示法の「景品類」を、客を呼ぶ手段として、商品やサービスの取引に付けて提供する経済上の利益、と説明しています。

ガチャについては「コンプガチャ」の資料で、異なる種類の絵柄などを特定の組み合わせでそろえさせる「カード合わせ」は、景品の金額にかかわらず全面的に禁止されていると説明しています。欺瞞性が強く、子どもの射幸心をあおる度合いが著しく強いため、とのこと。

CESAなど3団体のガイドラインは、ブロックチェーンゲームでもカード合わせに当たるサービスを一切提供してはならない、としています。

有料の取引のおまけとしてアイテムやトークンを付ける場合は景品類に当たりうる一方、アイテムが取引の本来の対象なら通常は景品類に当たらない、という整理です。

JCBAのガイドラインは、NFTを発行するだけで景品表示法に触れる可能性は低いが、配布や販売の仕方には注意が必要だとしています。

表示のルールもあります。5団体のガイドラインは、実際より高い出現確率や多い発行予定数を表示すること、あとから確率を大きく下げたのに利用者が気づけない形で売ることを、景品表示法の不当表示になりうるとして避けるよう書いています。

利用者として見ておける点

CESAなど3団体のガイドラインは、消費者がサービスを選ぶときの参考にもなるように書いた、と説明しています。

ガイドラインが事業者に求めている項目は、そのまま利用者が確かめる点になります。

  • 出現確率や発行予定数が表示されているか
  • 将来の値上がりをにおわせる広告になっていないか
  • 発行元のコントラクトアドレスが公開されているか
  • 秘密鍵をなくしたときは救済が難しいと説明されているか
  • サービスが終わったときのNFTの扱いが書かれているか

未成年の利用について、5団体のガイドラインは、親権者の同意を求めることや、使える金額や回数に上限を設けることを望ましいとしています(カワイイ絵柄ほど回したくなるので、上限の話は大事です)。

この記事について

この記事は、CESA・JOGA・MCF、JCBA、5団体の各ガイドラインと、消費者庁、デジタル庁 Web3.0研究会の公表資料をもとにまとめました。

ガイドラインは業界団体の考え方で、法律の解釈を確定させるものではなく、改訂されることもあります。

この記事は法的な判断や売買を勧めるものではありません。個別のサービスが法律に触れるかどうかは、弁護士などの専門家に確認してください。

それでは、また次のCOTで❣️