おはCOT❣️ 柚の子です。
暗号資産やトークンのルールは、どこで決まっているか知っていますか?
金融庁は10月20日、「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」の第1回を開きました。ブロックチェーン上に資産や決済の仕組みを置く「オンチェーン金融」の環境を整えるため、制度を点検する会議です。この日は、事務局の説明と2社のヒアリング、そのあとに討議が行われました。
(会議の名前が長くて、1回では覚えられませんでした)

10月20日に開かれた第1回
会議は10月20日の15時から17時まで、中央合同庁舎第7号館の12階の会議室で、オンラインを併用して開かれました。座長は神田秀樹さん(東京大学名誉教授)です。メンバーは14人で、弁護士、大学の研究者、公認会計士が名を連ねています。
この日の流れは、開会、事務局の説明、野村ホールディングスとSecuritize Japanのヒアリング、討議、閉会でした。配られた資料は4点です。メンバーの名簿、事務局の説明資料、2社の説明資料が、金融庁のサイトに公開されています。
会議にはオブザーバーも参加しました。全国銀行協会、日本証券業協会、資産運用業協会、信託協会、日本暗号資産等取引業協会、日本STO協会、預金保険機構、証券保管振替機構、日本取引所グループ。それに法務省、財務省、経済産業省、日本銀行です。
何を点検するのか
この研究会は、「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」という、もう少し大きな枠組みの中にあります。フォーラムは2026年の夏に立ち上がり、2027年の初めをめどに中間整理をまとめる予定です。金融庁の資料では、そのうちの環境整備を担当するのが、この研究会だと書かれています。
点検の対象として、資料には次の項目が並んでいます。
- さまざまな資産のトークン化
- ステーブルコイン
- DEX・DeFiやウォレット提供業者
- ステーブルコインとトークン化預金の、公金給付への活用
- ステーブルコインの、いろいろな法律での扱いの整理
- 国債などのトークン化
(「DEX」も「DeFi」も、初めて見ると呪文みたいです)
資料の最後のページには、「ご議論いただきたい事項」として3つの問いが置かれていました。法制度の課題として、優先して検討すべき分野はあるか。分野ごとに、どんな法的な論点を深めるべきか。決済の期間を短くする動きを考えるときに、気をつける点はあるか。この3つです。
数字で見るトークン化のいま
事務局の説明資料には、トークン化の市場についての数字も載っています。
トークン化された資産の累計発行額は増えていて、2026年7月の時点で350億ドルを超えました。2033年までに世界の市場が18.9兆ドルになるという試算もあります。ボストン コンサルティング グループとRippleが2025年に出した数字です。
ほかの予測も同じページに並んでいて、スタンダードチャータードは2034年に30兆ドル、シティは2030年に5兆ドル、マッキンゼーは2030年に2兆ドルと見ています。2030年で比べても、5兆ドルと2兆ドルで2倍以上の開きがあります。
国内の数字もあります。暗号資産の口座の開設数は1,400万を超えていて、年収700万円未満の人が約7割を占める、というものです。これは、暗号資産の規制を金融商品取引法へ移す改正の背景として、資料が挙げている数字でした。
DEXは、まだ規制の型が決まっていない
いちばん印象に残ったのが、DEXについての整理です。
DEXは、日本語では「分散型取引所」と訳されます。金融安定理事会(FSB)が2022年に出した報告書では、「スマートコントラクトに基づくP2Pのマーケットプレイス」と説明されています。人を介さず、プログラムどうしで取引する場所、というイメージです。
金融庁の資料は、DEXについて「現状では明確な規制の手法が確立されていない」と書いています。そのうえで、今の暗号資産交換業者に対する規制とは違う、技術の性質に合わせた規制の形を、各国の動きを見ながら考えていく、としています。
DEXにつなぐアプリの画面を国内の人に提供する人には、接続先のリスクの説明や、マネーロンダリング対策が要るのではないか。まずはそうしたサービスの実態を把握する必要がある。そんな方向も書かれていました。
海外の動きも載っています。金融活動作業部会(FATF)は2026年7月に、DeFiの規制上の課題についての報告書を公表しました。
決まったことと、これからのこと
ここまで読むと、この日は何かが決まった日ではないと分かります。第1回では、論点が並べられ、議論の入口が置かれました。制度が変わるのは、この先の議論と、必要なら法律の手続きを経てからです。
金融庁の資料では、フォーラムが2027年の初めに第2回を開いて、中間整理と、官民で作るロードマップをまとめる予定とされています。
暗号資産のルールは、この数年で何度も動いてきました。2017年4月に交換業者の登録制が始まり、2023年6月にはステーブルコインの規制と、送金のときに送る人と受け取る人の情報を伝える仕組みが入りました。2026年6月には、売買を媒介するだけの仲介業の制度が始まり、2026年7月には、暗号資産の規制を金融商品取引法へ移す改正法が公布されています。移管の施行日は政令で決まるので、まだ先です。ここまでの流れは、暗号資産は金商法へ:2026年の法改正で成立したこと、施行済みのこと、日付が未定のことにまとめました。
COTは、EthereumとPolygonの2つのコントラクトを持つトークンです(ERC-20とPolygonの基本:COTのホワイトペーパーにコントラクトが2つ載っているのはどういう意味?)。今回の資料は、個別のトークンではなく、制度の枠組みを扱っています。それでも、トークンを持つ人が使うウォレットや、交換の場のルールは、この会議の論点とつながっています。
(遠い話に見えて、財布の話だったりするんですよね)
この記事について
この記事は、金融庁の研究会のページと、第1回の議事次第、配布された資料(メンバー等名簿、事務局説明資料)をもとにまとめました。日付、出席者、数字は、この資料で確認しています。
研究会の議論はこれから続きます。新しい資料が出たら、金融庁のサイトで確認できます。
この記事は、暗号資産やトークンの利用・売買を勧めるものではありません。公表された資料の内容を整理したものです。
出典:デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会(令和8事務年度)第1回 議事次第(金融庁)、同 資料1 メンバー等名簿(金融庁)、同 資料2 事務局説明資料(金融庁)
それでは、また次のCOTで❣️

