おはCOT❣️ 柚の子です。
「暗号資産が金商法の対象になるらしい」と聞いて、それってもう始まっているの?と気になっていませんか?
2026年7月15日、暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正法が国会で成立しました。
ただ、中心の部分がいつ始まるかは、2026年9月29日時点ではまだ決まっていません。金融庁の公表資料をもとに、報告書、成立、施行済み、施行日未定の段階を分けて見ていきます。
ここまでの流れ
金融庁の公表資料で確認できる順番は、次のとおりです。
- 2025年12月10日:金融審議会の「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」が報告を公表
- 2026年4月10日:「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」を国会に提出
- 2026年7月15日:国会で成立(7月23日に令和8年法律第64号として公布)
- 2026年8月12日:一部の規定だけ先に施行
報告書は制度の方向性をまとめたもので、それ自体に効力はありません。効力を持つのは成立した法律と、施行日などを決める政令・内閣府令です。
報告から法律の成立まで、7か月ほどでした。
何が変わるのか:「決済手段」から「金融商品」へ
金融庁の説明資料によると、暗号資産はこれまで決済手段の観点から資金決済法で規制されてきましたが、足下では投資の対象になってきた、というのが見直しの理由です。背景として、国内の口座開設数が1,400万を超えたことも挙げられています。
そこで暗号資産を金商法に移し、有価証券とは別の金融商品として位置付けるとのこと。
主な中身は次の4つです。
- 情報の公表:発行者がいる暗号資産(特定暗号資産)は発行者が、それ以外は扱う業者が、あらかじめ情報を公表する
- 業者の規制:暗号資産交換業者の名称が「暗号資産取引業者」に変わり、流出事故に備える責任準備金の積み立てなどが加わる
- 不公正取引:これまで無かった暗号資産のインサイダー取引規制をつくる
- 無登録業者:罰則を資金決済法の拘禁刑3年から、金商法の拘禁刑10年の対象に引き上げる
情報の公表については、説明資料が「暗号資産発行時のホワイトペーパー(説明資料)等の記載内容が不明確であったり、記載内容と実際のコードに差があることが多いとの指摘」を課題に挙げています。
ホワイトペーパーに書いてあることと実際の動きが違うことがある、という指摘を、金融庁が課題として資料に書いたわけですね(公式の文書でも、一文ずつ確かめながら読むのがよさそうです)。
ほかにも、対価を受けて暗号資産の取引判断に関する意見を表示する場合は、対価を受けている旨の表示が義務になります。いわゆるステルスマーケティングの規制です。
施行済みのことと、施行日が未定のこと
金融庁の法律案要綱によると、この法律は原則として「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」から施行されます。暗号資産を金商法に移す中心の部分はこちらに入っていて、その日を決める政令は、2026年9月29日時点で金融庁の公表資料では確認できませんでした。
先に動いたのは一部だけです。金融庁の発表によると、無登録業に対する罰則の引上げと、証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加に係る規定が、2026年8月12日から施行されています。
説明資料によると、この罰則の引上げは金商法の無登録業の罰則(拘禁刑5年から10年)のことで、暗号資産を金商法に移す部分は先行分に入っていません。また要綱では、犯則調査の対象に暗号資産の取引を加える部分も、この先行分から除かれています。
- 2026年8月12日:金商法の無登録業の罰則引上げなど(施行済み)
- 政令で定める日:暗号資産の金商法への移管など、法律の中心部分(未定)
- 2027年4月1日、2027年10月1日:サステナビリティ情報の開示などの別の項目(法律で決まっている日付)
細かいルールの多くは「内閣府令事項」とされていて、政令・内閣府令の案が出てから具体的な形が見えてきます。
報告から施行までを1本の時系列にすると、こうなります。

別の改正:仲介業は2026年6月から
少しまぎらわしいのですが、暗号資産に関わる改正はもう一本あります。
2025年6月6日に成立した資金決済法の改正で、暗号資産や電子決済手段(ステーブルコイン)の売買を業者の委託を受けて媒介するだけの「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」がつくられました。金融庁のページによると、この制度は2026年6月1日から始まっています。
こちらは資金決済法の中の話で、上の金商法への移管とは別の法律です。
名前がそっくりな法律が続けて出てくるので、年と国会の回で見分けるのがおすすめです(「資金決済法の改正」だけで検索すると、ほぼ確実に迷子になります)。
まだ検討が続いていること
ワーキング・グループの報告の目次には「海外の無登録業者・DEX 等への対応」や「DEX や海外無登録業者での取引に係るリスク周知」といった項目が並んでいます。今回の法律と、これから出る政令・内閣府令でどこまで扱われるかは、案の公表を待つ必要があります。
この記事について
この記事は、金融審議会ワーキング・グループ報告の公表ページ、金融庁の国会提出法案のページと説明資料・法律案要綱、20日後施行分の政令公布の発表、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業のページ、e-Gov法令検索の改正履歴をもとにまとめました。
中心部分の施行日と細かいルールは、今後の政令・内閣府令で決まります。金融庁の新着情報で確認してください。
制度が自分の取引や事業にどう関わるかは、個別の事情で変わります。具体的な判断は弁護士などの専門家や金融庁の相談窓口に確認してください。この記事は制度を理解するためのもので、暗号資産の売買を勧めるものではありません。
それでは、また次のCOTで❣️

