おはCOT❣️ 柚の子です。

「円のステーブルコイン」と聞いて、それってビットコインみたいな暗号資産の仲間なの?と思ったことはありませんか?

日本の法律では、別のものとして扱われています。JPYCは、資金決済法の「電子決済手段」として、資金移動業者のJPYC株式会社が発行する日本円建てのステーブルコインです。

JPYC社の発表によると、2025年10月27日に正式に発行が始まりました。金融庁の資料とJPYC社の公式発表をもとに、位置づけと中身を見ていきます。

「電子決済手段」ってなに?

もとになっているのは、2022年6月3日に成立した資金決済法などの改正です。金融庁の説明資料では、法定通貨建てのステーブルコインを2つに分けています。

  • デジタルマネー類似型(=電子決済手段):法定通貨の価値と連動した価格(例:1コイン=1円)で発行され、発行価格と同額で償還を約するもの
  • 暗号資産型:それ以外(アルゴリズムで価値の安定を試みるものなど)

前者はデジタルマネー、つまり送金・決済の手段として規律し、後者は暗号資産や金融商品として規律する、という整理なんですね。

電子決済手段の発行と償還は為替取引に当たり、銀行や資金移動業者が行うこととされています。信託会社を使う仕組みも用意されています。

発行者と利用者の間に入る仲介の業者には、2023年6月1日から電子決済手段等取引業の登録制度が始まっています。

信託会社を使うタイプ(信託型ステーブルコイン)は、2025年6月6日に成立した資金決済法の改正で、裏付け資産の扱いが少し広がりました。金融庁の説明資料によると、これまでは全額を要求払預貯金で持つ必要がありましたが、発行額の50%を上限に、元本を損なわない形で国債や定期預金での運用を認める内容です。

JPYCは信託型ではなく資金移動業者が発行するタイプなので、この話とは発行の仕組みが違います。

暗号資産との違い

いちばんの違いは、額面で円に戻せる約束があるかどうかです。電子決済手段は発行した価格と同じ額で償還することを約束していて、暗号資産型にはその約束がありません。

税金の扱いにも差があります。国税庁のFAQは、法人の電子決済手段について、要求払預金に似た性格を持ち「金銭債権に該当すると考えられます」と説明していて、期末に時価で評価し直す必要はないとしています。消費税でも、電子決済手段の譲渡は支払手段等の譲渡として非課税です。

一方、個人の所得税での扱いを取り上げた問はFAQにありません(書いていないことは書かないでおきます)。

暗号資産は、2026年7月に成立した改正法で、金融商品取引法の側に移ることが決まりました。その改正法について金融庁が2026年4月に出した説明資料の図では、ステーブルコインは資金決済法に残り、暗号資産だけが金商法へ移る形になっています。

ここまでの違いを図にすると、こうなります。

金融庁の資料による、電子決済手段と暗号資産型の違いを左右に並べた図。左の電子決済手段(デジタルマネー類似型)は、JPYCはこちら。法定通貨の価値と連動した価格で発行(例:1コイン=1円)、発行価格と同額で償還を約束、発行と償還は銀行や資金移動業者、送金・決済の手段として資金決済法に残る。右の暗号資産型は、それ以外(アルゴリズムで価値の安定を試みるものなど)、同額で償還する約束はない、暗号資産や金融商品として規律、暗号資産は2026年7月成立の改正法で金商法へ移ることが決まった。

JPYCの中身

JPYC社の発表に載っている内容は、次のとおりです。

  • 日本円と1対1で交換(発行と償還)できる
  • 裏付け資産は日本円(預貯金と国債)で、発行残高の100%以上を保全
  • 発行と償還は公式の「JPYC EX」で受け付け、登録には本人確認が必要
  • 発行するチェーンはAvalanche、Ethereum、Polygon、Kaiaの4つ

JPYC EXでは、銀行振込で日本円を入れると登録したウォレットアドレスにJPYCが発行され、逆にJPYCを送ると登録口座に日本円で払い戻される流れだそうです。

発行の上限は、2026年5月のアップデートで「1日あたり100万円」から「1回あたり100万円」に変わったと発表されています。

1JPYCが1円という、すごくシンプルな数字の約束が中心にあるわけですね(シンプルな仕組みって、それだけでちょっとカッコいいと思うんです)。

発行の状況

金融庁の資金移動業者登録一覧(2026年7月31日現在)では、JPYC株式会社は関東財務局長第00099号、登録年月日は2025年8月18日で、業務の種別は第二種として載っています。

発行の規模について、JPYC社は2026年9月18日時点で、JPYC EXでの累計発行額が100億円を突破したと発表しています。これは発行した額の累計で、償還された分を差し引いた、いま出回っている額とは別の数字です。

制度のほうも少しずつ動いています。金融庁は2026年5月19日に内閣府令の改正を公布し、日本の制度と同等性がある外国の法令に基づく信託の受益権を電子決済手段として扱えるようにしました(6月1日施行)。

この記事について

この記事は、金融庁の資金決済法改正の資料と資金移動業者登録一覧、国税庁の暗号資産等FAQ、JPYC株式会社の公式発表をもとにまとめました。

発行上限や対応チェーンは、JPYC社のアップデートで変わることがあります。使う前にJPYC社の最新のお知らせを確認してください。

税金や法律の扱いは、使い方や立場によって変わります。個別の判断は、税理士・弁護士などの専門家や、税務署・金融庁の相談窓口に確認してください。この記事は仕組みを理解するためのもので、JPYCや暗号資産の利用・売買を勧めるものではありません。

それでは、また次のCOTで❣️